【長崎県のIR誘致】事業者に147億円の費用負担の方向へ
2021年1月26日の佐世保市市議会特別委員会では、IR事業者に対し、誘致にかかる費用147億円の負担を求める方針が決議されました。ここでは、この莫大な事業者の費用負担が決定した背景と、長崎県IR誘致の事業者選定の今後について整理しながら解説します。
【長崎IR事業者】費用負担の理由に交通環境改善や観光振興
長崎県がIR事業者に対し147億円の費用負担を課す方針を固めた背景には、誘致先のハウステンボス周辺の交通アクセスの悪さがあります。
IR誘致には地域の観光事業全体の活性化も重要となるため、交通環境整備・観光振興・インバウンド促進が不可避です。こうした課題解決にかかる莫大な費用の一部を事業者が負担することで、自治体の予算を軽減させる狙いがあるものと見られています。
中でも急がれるのが空港の強化です。長崎県では空港の早朝・深夜便の路線が不足していますが、未だその誘致が奏功しておらず、IRを推進するには空港を民営化した上での経営改善が欠かせません。また、鉄道などのいわゆる二次交通にも課題が多く、交通環境整備には莫大な予算が必要です。
他にもこの予算は、IR誘致で大きな議題となることも多いギャンブル依存症対策としても使用されるここととなっています。
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長崎は21年8月に事業者選定の予定
長崎県ではIR誘致に関わる事業者選定の今後の予定を明らかにしており、主なスケジュールは以下の通りとなっています。3月以降は全て予定です。
日程(2021年) | 工程 |
2月15日 | 第2回募集要項に係る質問の受付期限 |
3月1日 | 第1次審査書類受付期限 |
3月中旬 | 第1次審査結果発表 |
3月下旬以降 | 競争的対話等実施 |
5月 | 廉潔性調査実施 |
6月 | 第2次審査書類受付期限 |
8月 | 応募者によるプレゼンテーション |
8月 | 審査結果公表 |
なお、長崎県では、IR公募に関するあらゆる選考過程や結果を県のホームページ等で発表することにしています。