【大阪IR】MGMリゾーツがコロナをきっかけにRFPの条件が改善と発表
MGMグループ社長のビル・ホーンバックル氏は、大阪の事業者公募期間延長は、同社が応募のための要件を強化するために必要な期間だったことを明かしました。しかし、結果的に事業者公募期間が延長されても新たな候補事業者はなく、未だ候補はMGMグループ1者という状況です。
今年7月にはRFP提出期限が迫っており、9月には事業者最終1者が選定される予定となっています。それまでの短期間に新たな候補が名乗りを上げるのかどうか、MGMグループの動向とともに注目が集まります。
そもそもがあいまいだった大阪のIR実施方針修正案
大阪府は2021年2月、当初案を変更したIR実施方針修正案を公表していました。
しかし、その修正案ではIRの開業時期についての明言を避け、しかも事業規模は当初案の5分の1ほどにまで下げるなど、世界最高峰のスケールを目指した当初案からはかけ離れた内容となっており、物議を醸しました。
2019年に発表された当初案では、25年の大阪万博までにIR全面開業を目標としていたものの、誘致活動がコロナ禍で失速し、現状では段階的な開業も可という曖昧なスケジュールとなっています。先述したように、展示施設の規模も当初の10万㎡案から2万㎡案にまで縮小されています。
大阪IRの事業者公募はこれまで紆余曲折があり、候補事業者は先述のMGMグループのみが残っている形です。
この1者が撤退してしまえば大阪のIR誘致はより難航するため、これ以上の計画修正はなるべく避けたい現状です。
新型コロナの影響で延期された各スケジュールはどうなる
カジノ法案が可決した2019年当時、日本のIR誘致活動は順調であるかに見えていました。
米国のサンズグループや、香港のメルコリゾーツ&エンターテインメントといった世界屈指のカジノ業者が参入に関心を示すなど、当初は鳴り物入りで始まった大阪IR誘致活動ですが、予想外のコロナ禍によりIR推進活動は一気に低迷しました。
上記2者は大阪IRへの参入を取りやめる結果となり、状況はかなり難航していると言えるでしょう。
大手事業者の動向さえ先行きは不透明です。現在の唯一の大阪IR事業者はMGMとオリックスの共同グループですが、MGMは今年に入ってビジネスの関心をオンラインカジノ会社の買収に向けるなど、継続して大阪唯一の事業者候補となり得るのか、予測がつかない状況となっています。
関連記事:大阪府のIR事業者候補はなおもMGM&オリックスグループの独占状態が続く
延期された大阪のIR誘致スケジュール
3月末、大阪府は新型コロナの影響を考慮し、実施方針案と事業者選定の募集要項におけるスケジュールの修正を行いました。
これを受けて、かねてより計画されていた『大阪万博開幕前のIR開業』を白紙に戻すことを決定。万博との相乗効果を狙っていましたが、手痛い計画変更となってしまいました。
変更の内容は下記となります。
変更前 | 変更後 | |
書類提出期限 | 2021年4月 | 2021年7月 |
選定時期 | 2021年6月 | 2021年9月 |
事業者への土地引き渡し | 2021年秋頃 | 2022年春頃 |
隣県の和歌山は当初の予定通りIR事業者選定を開始
大阪府がIR誘致へのスケジュールを変更している一方で、隣県の和歌山では当初のスケジュール通り3月末からIR事業者公募の選定が開始されています。
和歌山はかねてより、『和歌山マリーナシティ』へのIR誘致を目指しており、事業者候補も複数参入の意欲を見せているため、有力な候補地として周知されていました。
しかし、これらは大阪府でのIR誘致や『大阪万博との相乗効果』を狙えるといったメリットを踏まえた上での計画でした。
今後も各自治体のIR誘致から目を離せません。