【カジノ法案】サンシティが和歌山IRから撤退を表明!
和歌山県のカジノ誘致計画において、IR事業者として有力候補であった「サンシティグループ・ホールディングス・ジャパン」が、正式に撤退を表明しました。和歌山県知事はこれまでカジノ誘致に対し前向きな姿勢を見せていましたが、サンシティグループの撤退を受け、IR開発断念の可能性を言及する事態にまでなりました。
サンシティグループの撤退表明から紆余曲折はあったものの、最終的に和歌山県ではカジノ誘致計画が継続されることが決定しています。有力候補のサンシティグループが撤退した和歌山IRに残った事業者は1社のみとなり、この先どのようにカジノ誘致が進められていくのか、注目が集まっています。
撤退理由は新型コロナウイルスや先行きの不透明さ
サンシティグループは、カジノの本拠地であるマカオでカジノ事業を展開している大企業です。カジノ市場において急成長を遂げている企業でもあり、和歌山事業者への立候補が発表されたときは期待が高まりました。
有力候補であったサンシティグループが撤退した主な理由として「新型コロナウイルスの影響により、当初の予定よりも開発に大幅な遅れが生じていること」「カジノ開発に関わる不透明な事柄が多く、リスクが高いこと」などが挙げられています。
サンシティグループの代表であるアルビン・チャウ氏は、下記のようにコメントを発表しています。
「新型コロナウイルス感染拡大による業界への甚大な影響と、世界中の膨大な数の企業における不確実性は今後も長期にわたり続く恐れがあること、また日本のIR区域認定手続きにおいては、当初の予定よりも大幅に時間を要すると想定される中で、いまだに多くの事柄が不透明であることなど、事業者としてのリスクを鑑み、熟考の上で厳しい決断をするに至りました」
また、サンシティグループは2021年に入ってから、オーストラリアでのマネーロンダリングや中国国内で違法オンラインカジノを運営したとの疑惑が浮上しています。そのため、サンシティグループは、撤退をせずともカジノ運営企業として国からの認可が下りない可能性が高くなっていました。
サンシティグループから撤退が表明されたことを受け、和歌山県の仁坂知事は記者会見で下記のコメントをしています。
「(残り)1社を選ぶかどうかということになったので、(選択肢がなくなり)痛いなという感じがする。国に提案する区域整備計画が合格する可能性が非常に低ければ、選ばないこともあるかもしれない。選ばないということは、とりあえずここ数年間、IR誘致は諦めたことになる。私はずっと推進をしている。これだけ大きな投資案件、雇用・所得拡大につながる案件はめったにない。和歌山の将来のためにチャンスは絶対生かした方がいい。選ばないということは、IRをギブアップしたことになる」
残る和歌山IR事業者は「クレアベスト」のみ
サンシティグループが撤退したことにより、和歌山のIR事業者の候補は投資会社であるクレアベストグループのみになりました。クレアベストはカジノ運営の会社ではなく、カジノ事業者に対して出資をし、資金面でのサポートをしている企業です。
カジノ運営の経験が浅い企業であることから、一時はIR事業者として選定しない方向性も示されていました。しかし、これまで大きな費用と労力を掛けてカジノ誘致計画を進めてきたことを踏まえ、和歌山県はクレアベストをIR事業者として選定する方針を明らかにしました。これにより、和歌山県の誘致活動の継続が決定しています。
クレアベストは、他の候補地に立候補しているIR事業者と比べると実績に乏しく、今後どのように計画を進めていくのかが鍵になります。カジノ誘致の認可が下りるのは日本国内で最大3ヶ所であるため、カジノ運営に疎いクレアベストはやや不利な状況であるとの見方が強いです。
まだクリアしなければならない問題は山積みではあるものの、クレアベストの代表は和歌山県のIR誘致企画を成功させたいと意気込みを見せています。