大阪IR用地の賃料が不当に安いとして住民が提訴!市は妥当な価格と主張

大阪IRの予定地である夢洲について「賃料がIRの収益を考慮しておらず、不当に安い」として住民訴訟で争われています。

大阪府・市はあくまでも賃料の正当性を主張しており、今のところ見直す考えはありません。

今回は大阪IR用地の賃料を巡る住民訴訟について、経緯や最新の情報をまとめていきます。

大阪IR用地の鑑定額に疑問の声

大阪IR用地の賃料に疑問の声が挙がったきっかけは、2022年12月に行われた不動産鑑定でした。

不動産鑑定においては4社中3社が「1平方メートルあたりの月額賃料は428円」と鑑定。これに対し、市民団体は「不動産業者と市で談合があったのではないか」と不正疑惑を投げかけ、住民監査請求を行いました。

しかし、住民監査請求の結果は「合議不調」に終わり、市民団体が納得できる答えが出なかったことから、現在の住民訴訟に至ります。

5月30日の口頭弁論において、市民団体は不動産鑑定のずさんさを指摘した上で「IR収益を考慮しておらず、不当に安い」と意見陳述しました。

市民団体は、住民監査請求の時と同じく賃貸借契約の差し止めを求め、全面的に争う姿勢を見せています。

大阪市は適正価格であると主張

一方の大阪府・市は「大阪IR用地の賃料は妥当」という主張を続けています。

住民訴訟ではIR収益が考慮されずに賃料が算出されたことが問題視されていますが、不動産鑑定業者から「IRは実績がないので考慮は適切ではない」と説明を受けて考慮外にした経緯がありました。

また、鑑定結果は第三者の不動産鑑定士や弁護士で構成される「市不動産評価審議会」で承認されていることからも、適正な価格であると主張しています。

さらに5月29日に記者団から取材を受けた新市長の横山氏は「正当な手続きを踏んで決めたものであり、見直す考えはない」とコメント。賃料は現行のままで進められる可能性が高そうです。

住民からの口頭弁論を受けた大阪府・市は、今年7月中には主張を明らかにする予定です。