大阪IR予定地の夢洲で液状化対策工事が開始、万博工事への影響を懸念

大阪IR予定地の夢洲において、12月4日付けで液状化対策工事が開始されました。しかし、夢洲では既に大阪万博の工事が行われており、交通の混雑や準備の遅れなどが懸念されている状況です。

今回は、大阪IR予定地の工事予定と大阪万博への影響などについてまとめていきます。

大阪IRの液状化対策工事は3年間で完了する見込み

大阪府・市は、大阪IR予定地の液状化対策工事を12月4日から開始することを発表しました。液状化対策工事の費用は公費で負担する予定となっており、予算は約255億円です。

工事はIR施設を建設する予定の約21万平方メートルを対象としており、セメント系の固化材を地中に入れて地盤を改良する工法が採用されています。

12月4日の時点では地盤の工事には着手しておらず、重機を搬入するための鉄板を敷くなど工事のための準備が進められました。

液状化対策工事は2023年12月~2026年末までの約3年間を予定しています。来年夏頃には液状化対策工事が終わった区域から順番にインフラ設備などの準備工事に入り、2025年春頃から施設の建設工事に着手する見込みです。

大阪IRの工事開始による万博への影響

夢洲では既に万博の工事が始まっているのですが、大阪IRの工事が始まることにより、万博の工事に影響が出るのではないかと懸念されています。

主な懸念材料は工事車両の混雑や、万博準備の遅れです。夢洲の資材搬入ルートは2本しかないため、大阪IRの工事が始まると渋滞が予想されます。

これを受け、大阪府・市は夢洲までのアクセスを改善するため、高架橋を前倒しで完成させる方針を発表しました。また、交差点の信号改良や車線数の増加などを実施し、交通アクセスを改善させる予定です。

その他の懸念点として「液状化対策工事が終わった後に事業者が撤退したらどうするのか」という指摘を受けています。

大阪府・市は「公費で支払うのはIR施設の建設工事が開始した後。建設工事に着手する頃には解除権はない」と説明。市が多額の公費を負担したのにも関わらず、事業者が撤退するような事態は起こらない体制を整えています。