【大阪IR】大阪港湾局が不存在メールを開示「IRは考慮外」と条件提示をしていたことが判明

大阪IR用地の鑑定において、不動産鑑定業者とのやり取りで「不存在」とされていたメール198通の内容が開示されました。

大阪市や大阪港湾局は「不動産鑑定業者からの意見を聞いてIRを考慮外にした」とこれまで説明してきました。しかし、今回のメール開示により、大阪港湾局の方が先に「IRを考慮外」にするよう条件提示をしていたことが判明。

今回は、不存在にされていたメールの内容や問題点についてまとめていきます。

大阪港湾局の説明とメール内容の矛盾

7月14日、大阪港湾局は不存在とされていた不動産鑑定業者とのメールのやり取りを公開しました。公開されたメールの情報は約1,200ページにも及びます。

大阪IR用地の鑑定について、大阪港湾局は「不動産鑑定業者4社にIRを考慮外とすることについての意見を求め、2019年10月中旬頃に妥当と判断されたため考慮外にした」と説明してきました。

しかし、今回開示されたメールによると、大阪港湾局は2019年9月に「IRを考慮外にする」方針を記載した文書を不動産鑑定業者に送信しています。

上記の矛盾点について、大阪港湾局営業推進室の田邊朝雄室長は「あくまで仮の条件としてIRを考慮外にすると提示した。正式に条件を設定をしたのは10月中旬のため、今までの説明に齟齬はない」と回答。

また、大阪港湾局側がどのような条件を提示しても、妥当な条件でなければ不動産鑑定士は拒否することが義務付けられているとも付け加えています。

さらに2019年9月25日に鑑定業者の1社から「IRを考慮外にするのなら4社で足並みを揃えた方が良いのではないか」という意見を口頭で受けたとも説明。

IRを考慮外とすることを最初に提案してきたのは、あくまでも不動産鑑定業者であるとしています。

大阪IRの認定が取り消しになる可能性は?

現在のところ、不存在メールの騒動による認定取り消しの話は出ていません。そのため、今後も大阪IRは引き続き推進していくと考えられます。

ただし、大阪IR用地の賃料が不当として市民団体が賃貸借契約の差し止めを求めて裁判を起こしており、今回の件が市民団体側に有利に働く可能性はあります。もしも市民団体が勝訴すれば、大阪IR用地の賃貸借契約が差し止められるかもしれません。

また、不存在メールとは別件ですが、大阪IR事業者のMGMリゾーツにマネーロンダリングの疑惑があるとして、大阪IRの認定取り消しが要求されています。

大阪IRは未だに市民からの反対の声が根強く続いているため、今回のような問題が立て続けに起これば認定取り消しの可能性も否めないでしょう。