アメリカのカジノ設計者が大阪IRは間違いと断言!ギャンブル依存の恐ろしさを語る

大阪IRについて、アメリカ全土で30件以上ものカジノ設計を手掛けた村尾武洋氏が「間違っている」と断言しました。またカジノの建設に行政が資金を援助することについても、疑問を呈してます。

村尾氏は過去にもカジノの危険性を訴えており、横浜IR阻止の一端を担った人物です。

今回は村尾氏がなぜ大阪IRは間違いだと断言したのか、またカジノについて過去にどのような指摘をしていたのかをまとめていきます。

大阪IRは間違いとカジノ設計者が鋭い指摘

村尾氏は、横浜市のカジノ誘致を阻止するための戦いを描く映画『ハマのドン』の登場人物の一人です。同映画のオンラインイベントに参加し、その中で「大阪IRは間違っている」と発言しました。

大阪IRはアメリカのMGMリゾーツとオリックスを主要事業者としてカジノ誘致を進めています。村尾氏によれば、カジノ事業者は外国人観光客を招くのではなく、日本人の顧客をターゲットにしています。

アメリカのカジノはすでに飽和状態になっており、新たなカジノ市場として日本人顧客をターゲットに据える傾向が高まっているためです。地元企業はインバウンド消費を期待しているため、もし村尾氏の発言通りならカジノ事業者と地元企業の考え方には大きな相違があることになります。

また、土壌問題の解決のために大阪市が約788億円の公費を負担する件についても疑問を呈しています。アメリカでは行政がカジノ事業に資金を支援することはありません。

そのためカジノ事業者にとって、日本でのカジノ誘致には大きなメリットがあります。

村尾氏は過去にもカジノの危険性を訴えている

カジノ設計に深く携わっている村尾氏は、過去に度々カジノの危険性を訴えており、横浜IRの阻止にも大きく貢献しました。

大阪IRは売上の約8割をカジノが占める予定のため、成功すればするほどカジノで負けて損をしている人が増えると村尾氏は指摘。行政側が売上を求めるほど収拾がつかなくなる可能性があります。

海外のカジノ利用者の中には決して裕福ではない方も交じっており、借金をしてまでカジノで遊ぶギャンブル依存症の方が一定数存在します。村尾氏の指摘通り、日本人顧客がターゲットになるのであれば、ギャンブル依存症になる国民の割合がますます高くなるでしょう。

村尾氏は今回のオンラインイベントにおいて「カジノが10年後、20年後どうなっているのか、失敗例も見た方がいい」と発言しています。海外のカジノは成功例ばかりでなく、失敗して治安が悪化したり街が廃れたりしたこともありました。

大阪IRではギャンブル依存症対策の議論が度々交わされていますが、今回の指摘を受けどのような対処をしていくのか注目が集まります。